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ぶんがくにかんするかんそう

文学に関する感想

宮本 百合子

「プロレタリア文学」日本プロレタリア作家同盟機関誌、1932(昭和7)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,671 字 · 17 页

青空文庫

日常に例をとってみると、この頃女の洋服の流行は次第に裾が長くなり、胸の飾帯が高くなり、肩のところで短い袖をふくらましてつけるような工合になってきた。これは考証によれば「アンピール」様式にひどく似ている。では、今日のそういう型をネオ・アンピールと呼ぶとしたらそれは正鵠を得て、内容を説明しているであろうか? 正確でも正当でもない。なぜなら、「アンピール式」が発生した当時のフランスの経済的、政治的情勢は、今日の帝国主義、世界反革命運動の策源地フランスの経済的、政治的情勢と全然異る。あの時代にふくらんだ女の肩袖と、今日ふくらむ女の肩袖との間に決して同一な社会的基礎はない。内容が違う。内容の異る二つのものが一つの同じ言葉で表現されるということはあり得ないのである。

プロレタリア・ルネッサンスという表現についても同様のことがいえる。イタリーを中心として起ったルネッサンス時代の経済的、政治的、文化的事情は、一九三二年の日本において、ソヴェト権力による社会主義社会建設を目ざして封建的軍事的絶対主義権力と抗争する日本のプロレタリア・農民のおかれている一般情勢とは全然性質の違うものである。