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ぶんげいとどうとく
文芸と道徳
文学到底该不该受道德约束?夏目漱石用他特有的幽默和犀利,在演讲中抛出深刻见解,听完你会对文学有新的认识。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,678 字 · 32 页
したがって突拍子もない偉い人間すなわち模範的な忠臣孝子その他が世の中には現にいるという観念がどこかにあったに違ない。
以上の諸原因からして自然模範的の道徳を一般に強いて怪しまなかったのでありましょう。また強いられて黙っていもし、あるいは自から進んで己に強いもしたのでしょう。ところが維新以後四十四五年を経過した今日になって、この道徳の推移した経路をふり返って見ると、ちゃんと一定の方向があって、ただその方向にのみ遅疑なく流れて来たように見えるのは、社会の現象を研究する学者に取ってはなはだ興味のある事柄と云わなければなりません。しからば維新後の道徳が維新前とどういう風に違って来たかと云うと、かのピタリと理想通りに定った完全の道徳というものを人に強うる勢力がだんだん微弱になるばかりでなく、昔渇仰した理想その物がいつの間にか偶像視せられて、その代り事実と云うものを土台にしてそれから道徳を造り上げつつ今日まで進んで来たように思われる。人間は完全なものでない、初めは無論、いつまで行っても不純であると、事実の観察に本いた主義を標榜したと云っては間違になるが、自然の成行を逆に点検して四十四年の道徳界を貫いている潮流を一句につづめて見るとこの主義にほかならんように思われるから、つまりは吾々が知らず知らずの間にこの主義を実行