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『ぶんげいひょうろん』しゅっぱんについて
『文芸評論』出版について
宮本 百合子
「文芸評論」(宮本顕治著、六芸社)の前書き、1937(昭和12)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,874 字 · 4 页
然しながら、そのような今日の到達点の内容こそ、実に積極的に評価され、批判されなければならぬ過去のこれらの努力の集積の上に展開されたものであることは、言うまでもない。芸術価値評価の規準についての論究、社会民主主義文学派の動向に対する注目の必要、文学における大衆性の課題、文学における同伴者性の究明等は、それぞれの時代の文学批評の分野において常に絶えざる関心を刺戟される急所である。特に、最近世界情勢の必然から文化・文学におけるヒューマニズムの運動が擡頭しつつある折から、批評文学にとって以上の諸要点は更に益々その錯綜した具体的諸関係の中で闡明される必要がある。この一冊の評論集の内容が、今日の新しい社会と文学との情勢の中で熟読、批判、発展せしめられることこそ願わしく、出版の意義もそこにあると思うのである。
〔一九三七月二月〕