轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页
かれは自身でどうにもならないと知りながら、己れも心をくさらせることを悟っても、やはり自分の中でのみ住んでいた。
「お父さま、そんな顔をなさいますと、わたしきゅうに恐くなってまいりますの、おねがいですからそんな顔をしないでくださいな。」
娘の顔は美しいなりでその美しさが悲しそうに変化ってゆきそうだった。その移りかわりがあまりにあざやかに眠元朗の目にうつり過ぎたため、かれは危ないものをうしろから抱きとめるように、もとのように穏やかな心になろうとした。
「これはお父さまのくせなんだから、気にかけないでくれ、――もう、こわくはないだろう。」
「けれども……。」
娘はつとめて微笑おうとしたが、なぜか窮屈な硬ばりをおのれの顔にかんじた。――父はかならず自分の微笑いがおを見ることを望んでいるだろうと思ったが、やはり微笑えなかった。
しばらくしてから、弱々しい娘の顔はもとのように晴れかかってすこしの曇りのない色に戻った。父はそれを静乎と眺めていたが、やっと落着いてそして娘に言った。
「お父さんは何も分らないお前に分って貰おうとしたことは悪かった。」
かれはそういうと、又黙って桃花村の方を波の間に間に、ほんのりと染った色をくるしげに眺めた。