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だんそうがん
断層顔
海野 十三
「探偵よみもの」1947(昭和22)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,033 字 · 33 页
序だからいうが、私はこれを『通信部報告書』で読んだが、そのときにこれが一つの手懸りであるのに気がついた。なぜといって、もしも木田に落下傘をつけさせて艇外へ放出するのなら、こんなに五十分間もかかるはずはない。だからこんなに手間取ったのは、それではない処理がとられたのに違いない。一体それは何だろうという疑いになり、それから報告書の欄外にある博士の鉛筆書きの文字に注意を向けたのだった。
23XSYという記号は、すぐ無電局名だと分った。“いかさまだ”というのはよく分らなかったが、これはこんど木田氏から親しく話を聞くことが出来た。「要警戒勝者」という文字からは、気の毒な博士の最期のことを連想させた。これは私の勘だがね。君の軽蔑するあれさ。それはともかくも、私はこれに気がついたので、これは大変な事件だと思いその筋へ報告して置いたんだが、あの日私たちが一足遅れになってしまった。
木田氏の身体は23XSY無電局で受信せられ、再び身体に組立てられたが、不幸にも送信機と受信機の調子が完全に合わなかったことと、運悪く当夜強い空電があったために、再生の木田氏は、あんなに断層のある醜い顔、いびつな身体になってしまったんだ。