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あたらしいふじんのしょくばとにんむ
新しい婦人の職場と任務
宮本 百合子
明日の婦人へ
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,803 字 · 16 页
私たち女は一年間に自分の希望と選択とによってここまで変転して来たのだろうか。この答えは複雑である。しかし社会事情の急調な動きは一つの必然として、自覚するとしないとにかかわらず、今日の婦人全体を新しい生活事情に導き入れており、そこではより社会的な規模で新しい生活能力の発揮されることを必要としており、新たな摩擦もおのずから生じて来ているのである。
ラジオの国民歌謡は、男は国の守りとして外へ出てゆき、家を守り家業にいそしむこそ女であるもののつとめであるとくりかえし歌っている。岡本かの子さんのような芸術家は、和歌に同じような思想をうたい、女の家居の情を描いておられる。だが、現実の今日においては、家を守り子を守るためにこそ、家を外にしなければならない女の数はかえって殖えている。この必要を認め、女のそういう奮起、たくましさをよみすればこそ、良人の代りに絣のパッチ・ゴム長姿で市場への買い出しから得意まわりまでをする魚屋のおかみさんの生活力が、今日の美談となり得ているのではあるまいか。
若い女のひとたちに向って、家庭へかえれということがすすめられていたのは遠いことでないが、昨今は職業婦人といわれる女の仕事の範囲も、質的にいつしか、しかし的確に変化しはじめており、家庭へかえれという声もそこでは響きを失っていると見受けられる