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しんねんごうの『ぶんがくひょうろん』そのた
新年号の『文学評論』その他
宮本 百合子
「文学評論」1935(昭和10)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,976 字 · 16 页
文化綜合雑誌として目下われわれは『文化集団』『知識』『生きた新聞』『進歩』などを読む便宜をもってい、新年号はそれぞれ時機を反映した内容を盛っている。私の印象では、同じく綜合的性質をもつ雑誌ではあるが、各編輯者がもっとそれぞれの特色をあきらかにしてゆく努力を払っていいのではあるまいかと感じられた。たとえば、『進歩』は『知識』などにくらべれば頁数も売価も違うのであるからそれに準じた内容の扱い方をもう一工夫あってよいのではあるまいか。『知識』が、各誌共通のトピックのほかに内容の多様性を求めて一頁論壇、谷崎潤一郎の文章読本の短い批評、宗教についての記事などを広汎にのせていることはプラスであり、続行されたい点である。けれども、たとえば「音楽雑談」や一頁人物評、吉川英治についての書きぶりなど、もう少し含蓄をもって読者の頭にきざみつけられるような筆致が更に効果的であったろうと考えられた。
この雑誌のみならず、すべての雑誌が、もっともっと沢山わかり易い自然科学に関する記事、世界の人類が今日までたたみ上げて来た唯物論史、あるいは階級性と道徳との相互関係などをあきらかにする記事を根気づよく続けてのせる必要があると思う。