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しんねんごうの『ぶんがくひょうろん』そのた
新年号の『文学評論』その他
宮本 百合子
「文学評論」1935(昭和10)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,976 字 · 16 页
の座談会で沼田氏その他が強調しているように、作家の目は常に労働者農民、一般勤労生活者の一見平凡な、しかも巨大な歴史性の上にいとなまれている生活の、芸術的再現に向ってそそがれるべきであろうと考えられた。
『郷土』創刊号の編輯は『関西文学』とは違ったジャーナリスティックな性質において都会的である。が、雑文「瓦職仁儀」や創作「養蚕地帯の秋」などは、地方の生産、それとの関係においての人々を描き、興味があった。文学のひろびろとした発展のために無規準な地方色の偏重は不健全におちいるのであるが、その地方の生産に結びついている大衆の文学的欲求とその表現とがより潤沢に包括されればされるほど、その雑誌は文学の中に地方の現実の着実な観察を反映するものとなって、その地方の読者をよろこばせるばかりでなく、他地方の読者を益することも多くなって来る。
そういう意味で『鋲』『文芸街』の作品、『主潮』の詩「落穂ひろい」小説「中農の伜」「違反」「雑草」など、作品としてはいろいろの未熟さその他の問題をふくんでいるとしても、作品が生活から遊離していない点でやはり読者の心をひくものをもっていると思う。