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しんねんごうの『ぶんがくひょうろん』そのた
新年号の『文学評論』その他
宮本 百合子
「文学評論」1935(昭和10)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,976 字 · 16 页
れていることも認められる。これらの特長はこの座談会を流れて一貫し、プロレタリア文学の新しい展開への可能を暗示している。
この座談会の席上で、島木氏や徳永氏によってプロレタリア文学作品の一つの発展的タイプとして「プロレタリア的な単純な明朗性を持った作品」「単純な、明快な言葉で判りよく、しかも芸術的な」(島木氏)作品が翹望されている。そのような作品に対する評価の点では諸氏の意見が大体一致しつつ、その点を一層具体的にするような討論が伸びず、ひるがえって、一方で、現在それらの人々の関心をひいている問題の具体的な内容の一例としてドストイェフスキー再認が語られていたり、リアリズムは進化するという本圧氏の意見にはいって行ってしまっている。又平田氏のように「文学の一般のレベルがもっと高くならなければならぬのだ。だからいきなり農民に判ったりするものか、それは小説の罪ではなくて、うんといいものは判らなくていいのだ」という見解が力をこめて語られたりもしている。われわれの今日の文学が置かれている錯綜した現実がここにも見出されるのである。
新たなリアリズムの本道を示すような健康な作品の出現が要求されているのであるが、現在の大勢では、過去のプロレタリア文学に欠けていた文学の多様性、独自性、複雑性への興味関心が熾烈である。