轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

「女人藝術」1928(昭和3)年10月号~1930(昭和5)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 247,330 字 · 497 页

青空文庫

「二十歳……」

「ほう、若く見えるなア、俺は十七八かと思った」

私が笑ったので、ヨシツネさんも頭をかいて笑った。筒っぽの厚司を着て汚れた下駄をはいているところは大正の定九郎だ。

話があると云って、なかなか話がない。ああそうなのかと思う。まんざら嬉しくなくもないけれど、何となくあんまり好きな人でもない気がして来る。朝のせいか、すきすきと池のまわりは汚れて寒い。ヨシツネさんはうで玉子を四ツ買った。塩が固くくっついているのが一ツ五銭。歯にしみとおるように冷いうで玉子を、池を向いて食べる。枯れた藤棚の下に、ぼろを着た子供が二人でめんこをして遊んでいる。

「俺、いくつ位にみえる?」

背の高いヨシツネさんが、大きい唇に、玉子を頬ばりながら訊いた。

「二十五ぐらい?」

「冗談云っちゃいけないよ。まだ検査前だぜ……」

へえ、そうなのかと吃驚してしまう。男の年は少しも判らない。ああそんなに若いのかと、急に楽々した気持ちで、

「あんた生れは何処?」

と、訊いてみた。

「横浜だよ」

ああ海の見えるところだなと思う。

「どうして、あんな牛屋なンかにいるの?」

「不景気でどこにも一人前の口がないからよ。