轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

長谷川時雨『新編 近代美人伝 (上)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:明治美人伝、明治大正美人追憶、樋口一葉、一世お鯉、大橋須磨子、竹本綾之助、豊竹呂昇、平塚明子(らいてう)、松井須磨子、芳川鎌子。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 页

青空文庫

「五万円のうち一万二千円ずつ三人の子につけて渡したのですからあまったのは幾らもありはしません。それで桂さんの死後、ざっと十年たらず今日まで過して来たのですね。もう今は残っていません、何にもなくなったから商業をはじめたのですね、ねえ、姉さん」

「母もなくなりますし、残っていた養母も去年なくなりました。木からおちた柿のように、ほんとの一人ぼっち――けれど此妹がいてくれたので……」

暫時、三人は黙した。ケンチャンが白いものを着て、髪の毛にも櫛の歯を見せて、すましかえって熱い珈琲をはこんで来た。三人はだまって角砂糖を入れて掻廻した。

「姉の考えでは、残しておいて下さったもののあるうちは、何にもしないで、旦那の余光で暮してゆこうとしていたらしかったのです。そうだとは言いませんが、どうもそういう考えらしかったのです。何にもなくなった時に、その時にお鯉にかえるのだと思っていたのだと思います」

「あたし、みんなに生別れたり死別れたりして、何もかもなくなってしまった時に、今日から自分の生活になるのだと、しみじみと思いましたよ。けれど、待合や、料理店をはじめると、分明した区別がないので、あんな風になったと思われますから、はじめるならいっそ、みんなから見張ってもらっているこんな商業の方が好いと思って、ここの株式の専務ということになり