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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

長谷川時雨『新編 近代美人伝 (上)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:明治美人伝、明治大正美人追憶、樋口一葉、一世お鯉、大橋須磨子、竹本綾之助、豊竹呂昇、平塚明子(らいてう)、松井須磨子、芳川鎌子。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 页

青空文庫

へ押込めてしまって、長い一生を、凝っと、消てしまった故人の、恋心の中へと突進めてゆかせようとするのを、私は何とも形容することの出来ない、涙と圧迫とを感じずにはいられない。――動きのとれない苦しみを知る人でなければと思うと、私はお園の上から作者の上へと涙をうつすのであった。

――私の書方は、あんまり一葉女史を知ろうために、急ぎすぎていはしまいか。

或る人は女史を決して美人ではないといった。また馬場孤蝶氏の記するところでは、美人ではなかったが決して醜い婦人ではない。先ず並々の容姿であったとある。親友の口からそう極めがつけられているのを、見も逢いもせぬ私が、何故美人にしてしまうのかと、審しまれもしようが、私が作物を通して知っている一葉女史は、たしかに美人というのを憚らぬと思う自信がある。写真でも知れるが、あの目のあの輝き、それだけでも私は美人の資格は立派にあるといいたい。脂粉に彩どられた傾国の美こそなかったかも知れないが、美の価値を、自分の目の好悪によって定める、男の鑑賞眼は、時によって狂いがないとはいえない。あまりお化粧もしなかったらしい上に、余裕のある家庭ではなし、ことに、