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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
宮沢賢治『新編風の又三郎』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蛙のゴム靴、虔十公園林、十月の末、谷、二十六夜、やまなし。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,031 字 · 84 页
ここでは悪業という。その事柄を次にあげなされたじゃ。或は夜陰を以て、小禽の家に至ると。みなの衆、他人事ではないぞよ。よくよく自らの胸にたずねて見なされ。夜陰とは夜のくらやみじゃ。以てとは、これに乗じてというがようの意味じゃ。夜のくらやみに乗じてと、斯うじゃ。小禽の家に至る。小禽とは、雀、山雀、四十雀、ひわ、百舌、みそさざい、かけす、つぐみ、すべて形小にして、力ないものは、みな小禽じゃ。その形小さく力無い鳥の家に参るというのじゃが、参るというてもただ訪ねて参るでもなければ、遊びに参るでもないじゃ、内に深く残忍の想を潜め、外又恐るべく悲しむべき夜叉相を浮べ、密やかに忍んで参ると斯う云うことじゃ。このご説法のころは、われらの心も未だ仲々善心もあったじゃ、小禽の家に至るとお説きなされば、はや聴法の者、みな慄然として座に耐えなかったじゃ。今は仲々そうでない。今ならば疾翔大力さま、まだまだ強く烈しくご説法であろうぞよ。みなの衆、よくよく心にしみて聞いて下され。
次のご文は、時に小禽既に終日日光に浴し、歌唄跳躍して、疲労をなし、唯々甘美の睡眠中にあり。他人事ではないぞよ。