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ひはかがやけり

日は輝けり

宮本 百合子

「中央公論」1917(大正6)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页

青空文庫

予審、公判、宣告、すべては順序よくサッサと運ばれ、彼は二年の苦役を課されたのである。

庸之助の「信頼すべき父親」の一生に、最後の打撃が与えられた日の翌日は、祭日であった。

浩は朝早く店を出て、十時過になって帰って来た。一歩、部屋の中にふみ込んだとき、浩は自分を迎えた数多の顔に、一種の動揺が表われているのを直覚した。ざわめいた、落着きのない空気が彼の周囲を取り囲んだ。浩は、何か求めるように部屋中を見まわして、「どうかしたのかい?」と云おうとした刹那、その機先を制して、興奮した声で奥の方から、

「庸さんが帰っちゃったよ。親父が、牢屋へぶちこまれたんだとさ!」

と叫んだ者がある。訳の分らない笑い声が起った。そして誰も誰もが、変幅対の相棒を失った彼――何ぞといっては庸之助の味方になっていた彼――が、どんなにびっくりもし、失望もすることかというような、好奇心に満ちた目をそばだてた。けれども、皆は少しがっかりした。彼等の期待していた通りに場面は展開されなかったのである。浩は庸之助のことなどに無関心であるかと思うほど、平然としていた。「そんなことが、なんだい?」と云っているように見える。