轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
森鴎外『日本の文学 2 森鴎外(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:なかじきり、空車、普請中、文づかい。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,092 字 · 45 页
しかし哲学者として立言するには至らなかった。歴史においては、初め手を下すことを予期せぬ境であったのに、経歴と遭遇とが人のために伝記を作らしむるに至った。そしてその体裁をして荒涼なるジェネアロジックの方向を取らしめたのは、あるいはかのゾラにルゴン・マカアルの血統を追尋させた自然科学の余勢でもあろうか。
しかるにわたくしには初めより自己が文士である、芸術家であるという覚悟はなかった。また哲学者をもってみずからおったこともなく、歴史家をもってみずから任じたこともない。ただ、暫留の地がたまたま田園なりしゆえに耕し、たまたま水涯なりしゆえに釣ったごときものである。つづめていえばわたくしは終始ヂレッタンチスムをもって人に知られた。
歳計をなすものに中為切ということがある。わたくしはこの数行を書して一生の中為切とする。しかし中為切があるいはすなわち総勘定であるかも知れない。少くも官歴より観れば、総勘定もまたかくのごときにすぎない。
これが過去である。そして現在はなにをしているか。
わたくしはなにもしていない。一閑人として生存している。しかし人間はウェジェタチイフにのみ生くること能わざるものである。