轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あべいちぞく

日本の文学 3 森鴎外(二)

森 鴎外

森鴎外『日本の文学 3 森鴎外(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:阿部一族、山椒大夫、安井夫人、寒山拾得、寒山拾得縁起。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,545 字 · 140 页

青空文庫

と、肌を脱いで切腹しようとした。乙名が「まず待て」と言って権右衛門に告げた。権右衛門はまだ役所から下がって、衣服も改めずにいたので、そのまま館へ出て忠利に申し上げた。忠利は「尤ものことじゃ。切腹にはおよばぬ」と言った。このときから小姓は権右衛門に命を捧げて奉公しているのである。

小姓は箙を負い半弓を取って、主のかたわらに引き添った。

寛永十九年四月二十一日は麦秋によくある薄曇りの日であった。

阿部一族の立て籠っている山崎の屋敷に討ち入ろうとして、竹内数馬の手のものは払暁に表門の前に来た。夜通し鉦太鼓を鳴らしていた屋敷のうちが、今はひっそりとして空家かと思われるほどである。門の扉は鎖してある。板塀の上に二三尺伸びている夾竹桃の木末には、蜘のいがかかっていて、それに夜露が真珠のように光っている。燕が一羽どこからか飛んで来て、つと塀のうちに入った。

数馬は馬を乗り放って降り立って、しばらく様子を見ていたが、「門をあけい」と言った。足軽が二人塀を乗り越してうちにはいった。門の廻りには敵は一人もいないので、錠前を打ちこわして貫の木を抜いた。

隣家の柄本又七郎は数馬の手のものが門をあける物音を聞いて、前夜結び縄を切っておいた竹垣を踏み破って、駈け込んだ。