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さるかにかっせん
日本の神話と十大昔話
楠山 正雄
楠山正雄『日本の神話と十大昔話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:猿かに合戦、ねずみの嫁入り、文福茶がま、金太郎、桃太郎、かちかち山、舌切りすずめ、くらげのお使い、猫の草紙。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,605 字 · 76 页
「どこへ出かけたのだろう。」
とぶつぶつ言っているところへ、おみやげのつづらを背負って、おじいさんが帰って来ました。
「おじいさん、今ごろまでどこに何をしていたんですね。」
「まあ、そんなにおおこりでないよ。今日はすずめのお宿へたずねて行って、たくさんごちそうになったり、すずめ踊りを見せてもらったりした上に、このとおりりっぱなおみやげをもらって来たのだよ。」
こう言ってつづらを下ろすと、おばあさんは急ににこにこしながら、
「まあ、それはようございましたねえ。いったい何が入っているのでしょう。」
と言って、さっそくつづらのふたをあけますと、中から目のさめるような金銀さんごや、宝珠の玉が出てきました。それを見るとおじいさんは、とくいらしい顔をして言いました。
「なにね、すずめは重いつづらと軽いつづらと二つ出して、どちらがいいというから、わたしは年はとっているし、道も遠いから、軽いつづらにしようといってもらってきたのだが、こんなにいいものが入っていようとは思わなかった。」
するとおばあさんは急にまたふくれっ面をして、
「ばかなおじいさん。なぜ重い方をもらってこなかったのです。