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さるかにかっせん

日本の神話と十大昔話

楠山 正雄

楠山正雄『日本の神話と十大昔話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:猿かに合戦、ねずみの嫁入り、文福茶がま、金太郎、桃太郎、かちかち山、舌切りすずめ、くらげのお使い、猫の草紙。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,605 字 · 76 页

青空文庫

」

「ええ、まだなかなかありますよ。」

「ずいぶんたいくつするなあ。」

「まあ、おとなしくして、しっかりつかまっておいでなさい。あばれると海の中へ落ちますよ。」

「こわいなあ。しっかり頼むよ。」

こんなことを言っておしゃべりをしていくうちに、くらげはいったいあまり利口でもないくせにおしゃべりなおさかなでしたから、ついだまっていられなくなって、

「ねえ、猿さん、猿さん、お前さんは生き肝というものを持っておいでですか。」

と聞きました。

猿はだしぬけにへんなことを聞くと思いながら、

「そりゃあ持っていないこともないが、それを聞いていったいどうするつもりだ。」

「だってその生き肝がいちばんかんじんな用事なのだから。」

「何がかんじんだと。」

「なあにこちらの話ですよ。」

猿はだんだん心配になって、しきりに聞きたがります。くらげはよけいおもしろがって、しまいにはお調子に乗って猿をからかいはじめました。猿はあせって、

「おい、どういうわけだってば。お言いよ。」

「さあ、どうしようかな。言おうかな、言うまいかな。」

「何だってそんないじの悪いことを言って、じらすのだ。話しておくれよ。