轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
桃の井戸
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,620 字 · 26 页
休聞抄、水蛙眼目、深秘抄など、手にするほどの書物を殆んどひとり合点に読みちらして、まねごとの字数そろえがいつかしら本気になり、やがて茜という方のお誘いもあって、湖月亭の大人に添削をして頂くようにさえなった。そしてどういうまぐれか、ここでも拙い歌のぬかれることが多く、思いがけぬ方から相聞を頂いたりするにつれて、ひとかどの歌人にも成りかねない気持になっていった。
こうしているうちに家の内にもいろいろと変化がおこった。或る年の春さき、急にもどった寒さに冒されたのがもとで、嘘のようにあっけなく母上がお逝きになると、まるでそのあとを追うようにして長兄が亡くなった。この続けさまの不幸で父上はにわかにお年をめしたようだった。私たちは自分の悲しみよりもまず父上をお慰めしなければという気持から遊山におさそい申したり、家族だけで歌会のまねごとをしたりしたが、実はそのとき父上にはほかにもっと大きな御不運がみえていたのである。……次兄良二郎が長兄の跡に直り、おなじ家中の杉田継之助という方の妹を娶ったのは明くる年の晩春のことだったが、それから間もなく父上は勤役を解かれて御国詰めときまった。