轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わせだかぐらざか

早稲田神楽坂

加能 作次郎

「東京日日新聞」1927(昭和2)年6月11日~29日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,407 字 · 46 页

青空文庫

夜店なんか見るよりも、ただ人込の中をぶら/\しながら若い異性の香を嗅いだり袖が触れ合ったりするのを楽しみにね、アハハハ。』

『随分不良性を発揮したことだろうね。』と友達は笑いながら半畳を入れた。

『いや、どうして/\、極めて善良なものだったさ。今日のモダン・ボーイと違って、その頃の僕等ときたら、誰も彼もいわゆる「人生とは何ぞや」病にかかっていたので、そういう方面には全く意気地がなかったよ。それにこの頃のように、善くも悪くも簡単に女の見られるカッフエなんていうものはなしさ、精々三度に一度位、毘沙門隣の春月か通寺町の更科あたりで、三銭か五銭のザルそば一つ位で人生や文学を談じては、結局さびしく帰ったものだよ。それでその頃は、普通の日はそんなににぎやかでもなかった。夜店も寿司屋の屋台店位だったが、それがいつとはなしに、銀座あたりと同じく毎晩定夜店が出るようになり、人出も毎晩同じように多くなり、従ってあたりも益々発展して来たというわけだ。今ではもう特にいつが縁日だということも分らない位で、吾々も又いつが寅毘沙だ午毘沙だなどいうことを知る必要もなくなった。いつ出かけて行っても同じように賑やかで、華やかで享楽地的気分が益々濃厚になって来たね。