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やせがまんのせつ

明治十年丁丑公論・瘠我慢の説

石河 幹明

石河幹明『明治十年丁丑公論・瘠我慢の説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:瘠我慢の説、瘠我慢の説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,475 字 · 21 页

青空文庫

されば各国公使等の挙動を窺えば、国際の礼儀法式のごとき固より眼中に置かず、動もすれば脅嚇手段を用い些細のことにも声を大にして兵力を訴えて目的を達すべしと公言するなど、その乱暴狼籍驚くべきものあり。外国の事情に通ぜざる日本人はこれを見て、本国政府の意向も云々ならんと漫に推測して恐怖を懐きたるものありしかども、その挙動は公使一個の考にして政府の意志を代表したるものと見るべからず。すなわち彼等の目的は時機に投じて恩威並び施し、飽くまでも自国の利益を張らんとしたるその中には、公使始めこれに附随する一類の輩にも種々の人物ありて、この機会に乗じて自から利し自家の懐を肥やさんと謀りたるものも少なからず。

その事実を記さんに、外国公使中にて最初日本人に親しかりしは米公使タオンセント・ハリスにして、ハリスは真実好意を以て我国に対したりしも、後任のブライン氏は前任者に引換え甚だ不親切の人なりとて評判宜しからず。小栗上野介が全盛の当時、常に政府に近づきたるは仏国公使レオン・ロセツにして、小栗及び栗本鋤雲等とも親しく交際し政府のために種々の策を建てたる中にも、ロセツが彼の横須賀造船所設立の計画に関係したるがごとき、その謀計頗る奇なる者あり。