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めいじてつがくかいのかいこ
明治哲学界の回顧
井上 哲次郎
04 結論――自分の立場
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,235 字 · 22 页
芸術の目的は美の理想を実現するにある。意は善の実行をもって目的とするので、したがって道徳的行為の関するところで、最高善または至善というのが、その終極の目的である。知情意三方面とも、いずれも理想、目的がある。知は真をもって理想とし、情は美をもって理想とし、意は善をもって理想としている。しかし真善美の理想は終極するところ一つの理想すなわち人生終極の理想で Sollen の因って生ずるところである。この究竟の目的たる大理想は、実在を説明原理として見ないでこれを前途に擲げ出して人間行動の標的としたときに、構成されるので、彼と此とは畢竟一つのものと見るべきである。このことについてはかつて『哲学雑誌』にある程度までは論じておいたつもりである。
四 道徳論
道徳は前に述べたかの知能欲によって起るもので、その本源は生得的である。しかしもとより諸種の経験教養等によって発展を促されることはもちろんである。知能欲によって発生してきたところの道徳的要求は畢竟人格の完成にあることはいうまでもないが、人格完成は道を体現するによって可能となるのである。道はロゴスである。道は無形のもので、形而上的である。