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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
12 その十一 稲妻は見たり
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页
時田は非常に秀才だが酒癖が悪くて、酔うと前後不覚になって喧嘩口論、手荒なことをやる奴だ。昨日もそうさ。そこへピカリと光りはじめたからいそいで散会したが、時田が酔っているので方角の同じ母里がつれて行った筈だな。四人とも酔ってはいたな。川又はオレを送ってくれたから、オレが母里と一しょでないのは川又の奴が知ってるのさ」
白山上はすぐだから、遠山巡査と重太郎はハゲ蛸へ行ってみた。看板に書生鍋とあって、馬肉の鍋を主としてやっている。四人は常連だから、そこのオヤジはむろん知っていて、
「そうですよ。時田さんが、ちょッと口論のようなことを、ええ、まア、たまにネ。ふだんは秀才でシッカリした人だが、ああなると人が変って手に負えないね。口論だって大したことじゃアないよ。友達同士だもの」
「相手は?」
「なに、友だちだよ。内輪のことだよ。栃尾さんとあの人だもの、仲よしで秀才同士だよ、喧嘩じゃないよ。酔っ払ったら、あたりまえのような仲よし同士の口論なんだよ」
「別にお二方の秀才が悪いことをする筈はなし、お二方の悪事をしらべてるんじゃないよ。実はお二方の一人の行方が知れないので身寄りの方から調査依頼があって、それで昨夜の足どりをきいてるのだから、その口論の様子なども一応きかせてもらいたいね」