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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
12 その十一 稲妻は見たり
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页
二人が去ると乞食はいそいで出てみたが、徳利は横にころがって、中味は殆ど残っておらず、二人の一方は甚しく酔っていた。
三。その足跡の大小はオソノの記憶にはない。足跡の大小に気附かぬうちに真ッ先にふいたからである。
四。泥の足跡をふいたと思れれるものは発見されていない。
五。由也のぬれた着物は部屋の隅に脱ぎすてられていた。由也はネマキをきてねたらしく、そのためか、由也のフトンは押入の中から発見された他の泥だらけのフトンよりも泥の附着が少なかった。
六。母里家から紛失したものは今のところ分らない。
七。由也の入質品はムカデの茶器が受けだされる迄は受けだされたことがない。ムカデの茶器とともに質流れをまぬがれていた品物の全部が受けだされた。それは小刀一振。能面一ツ。色鍋島の皿一ツである。以上の三ツは利子も加えて合計五百五十円ほどである。
八。ムカデの茶器はわずかに五百円で入質されていた。それは使いの小女がそれぐらいでよいとの口上をうけてきたからであった。
九。ムカデの茶器は現在母里家にあると母里大学が言明した。彼はそれが何人かによって留守中に入質されたことを知らないらしく見える。