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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
15 その十四 ロッテナム美人術
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 42,950 字 · 85 页
あまつさえ、山師や事業家の暗躍をシリメに、当主大伴宗久どのは書斎の中で居眠り同然の読書にふけって、血まなこの山師事業家どもを全然そばへ寄せつけない。ところで、累代の家老筋たる重臣が主家のために特に取りきめた縁組にしては妙ではないか。世に金権結婚と称する通り、華族が金持と縁を結ぶことはある。なるほど須和康人は金持には相違ないが、大伴家は華族ながらも特別の大金持ち、須和康人の富も遠く及ぶところではない。金権結婚と云いたいが、これでは話がアベコベだ。大伴家累代の重臣が縁組をすすめるならば、五摂家の姫君などが、いかにも然るべきところであろう。このへんの話がまことに奇怪で、アベコベだとは思わないかね」
宇佐美通太郎は小大名の子息であるが、バカ殿様の生活が生れつき性に合わないスネ者で、大洋にあこがれ、航海にあこがれていた。そこで造船術を学んだが、かく決意したときから、家督は弟にゆずる覚悟であった。そして、克子を迎えたときは目的通り、すでに一介の造船技師として、また航海技術研究家として、ただの市民になっていた。先輩は話をつづけて、
「なア。宇佐美君。貴公は世間の噂を御存知か。