轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

15 その十四 ロッテナム美人術

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 42,950 字 · 85 页

青空文庫

「兄上は心のよからぬ者は男も女も三位一体だとしきりに三の数にこだわっていらッしゃるようですが、私が妙にハッキリと覚えていることは、ロッテナム美人館の扉ボーイの黒ん坊が扉の把手にかける左手の指が、三本指しかなかったことです。小指とクスリ指とがなくなっているのでした。気持のわるい手。私の目にいやらしい蛇のようにハッキリとしみついているのは、そこに謎をとく何かがあるという神様のお告げのようにも思われて……」

と、こう云って、さすがに克子も顔をあからめたが、良人はそれをさえぎって、

「イヤ、イヤ。羞しがらずに、なんでも思いついていることを言い切らなければいけない。人様に云うと笑われそうな、神様だの先祖のお告げかも知れないと思うようなとりとめもない神秘的な暗示や思いつきなどに、案外にも正しいカンが作用しているかも知れないよ。その方がこの目でシカと見たことよりも時には正しい真相を見破っていることがある」

こう云って、通太郎は妻をはげました。かくて二人はいろいろの疑問を提出して考え合ったが、宗久の幻想の由来はどうしても見当がつかない。そして二人は多くの疑問を残して寝についたが、その翌朝の目がさめたとき、克子の頭にフッと浮かんだことがあった。