轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

19 その十八 踊る時計

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,713 字 · 54 页

青空文庫

思いがけなくオルゴールがなった。ちょうど時計が十一時をうってるところだった。一時間しかたたないのに、もうお目ざめかとナミはおどろいて立ち上った。習慣はこういうものだ。七時にねて十一時に目をさます人は十時にねても十一時に目がさめる。ナミ子はドアへ走った。

ドアにつづく壁際に小卓があって、成子のカギはいつもその上に置かれていた。勤務時間が終ると、成子は自分のカギをそこへ置き残して去る。ナミ子はカギを持たないからだ。

カギは二ツあった。一ツは大伍が持っていた。大伍はカギを肌身離さなかった。

小卓の上を見たが、ある筈のカギがない。ナミ子は卓の下を探した。それから、部屋中を探しまわった。オルゴールが同じ歌を六七回もくりかえして鳴りやんだのに、カギが見当らない。

ナミ子の胸は早鐘のように鳴りだした。大変なことになった。思い当ることがありすぎる。

これだけ探しても見当らなければカギは盗まれたに相違ない。ドアの開けたてごとに大伍はカギを使っていたが、あれは彼のカギだし、開けたてごとにカギをかけるのは彼のいつもの習慣だ。

伊助がこの部屋に大伍の帰りを待っていた一時間あまりの間はナミ子がこの部屋にいなかった。