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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

20 その十九 乞食男爵

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,755 字 · 62 页

青空文庫

この家屋敷をそッくり貰うこともできらアな」

半日がかりで邸内クマなく探しまわった。店の方から持参の日用品とガラクタの類しか現れないが、身体検査で再び久五郎の懐中から三千円なにがしを発見して、

「隠すより現るるはなし、じゃないか。先日の家捜しの時にはなかった三千円だ。してみれば、まだまだ、あるな」

ジロリと睨んで、三千円を懐中に入れた。彼らは立ち去りかけたが、まだミレンがあるらしく、隣室でごてついて、

「やっぱり、ここにはないのよ」

「じゃア、どこだ?」

「典六。薄々感づいているのは、アレだけよ」

「フム」

周信は考えこんでいるらしかったが、

「典六が最後にチヂミ屋へ行ったのは、いつのことだ」

「いつが最後とは覚えがないけど、ウチの用でチョイ/\来ていたわ」

「チョイ/\行くようなウチの用がありやしないじゃないか」

「フフ。私に用があったのさ。私のプライベートな部屋へ。今だから、申上げますけど、そんなわけよ。それぐらいのイタズラせずに、あんな埃ッぽいウチに住んでられやしないわよ」

「バカ!」

周信の怒気は意外にも噛みつかんばかり真剣だった。

「キサマ、典六に喋ったな」

「いいえ。