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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
04 その三 魔教の怪
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,829 字 · 45 页
即座にそれに応じて快天王の怖るべき告発が発せられますが、円陣のどこに坐しても、その声は自分の前方にきこえます。快天王の声は必ず額の前にきこえる、というのが信徒の常識となっておりますが、ひそかに私が実験して人知れず坐所を変えてみましても、かの声は常に額の前方に、したがって常に中央の上下いずこよりか発していることはマチガイございません」
「中央に坐しているのは世良田摩喜太郎一人ですか」
「左様です。そして告発をうけたものは、中央の空地へよびあつめられ、世良田の四囲をのたうちまわって狼に噛み殺されるのであります」
さすがの新十郎も茫然と考えこんだ。大将がこの有様であるから、花廼屋や虎之介が面色を失ったのはムリがない。
新十郎はいかにも力なく顔をあげて、
「どうも、牧田さん、あまりに奇ッ怪で、お話の一ツ一ツがはじめて耳にすることばかり。特に何を手がかりにお聞きしてよいのやら皆目見当もつきません。とても私などが特に質問すべきことは見当りませんから、あなたの御意見をそッくりきかせていただきましょう」
「心得ました。私にも、時にあまりに奇ッ怪で殆ど魔神の実在を信ぜざるを得ない場合があるのですが、見聞のありのままをお伝えすることに致します」