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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
05 その四 ああ無情
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,336 字 · 47 页
買物に行くと仰有ってたから、いずれお見えになるだろうと、お師匠さんのお宅に三時すぎまで待っていましたが、お見えにならないので、いったん戻りました」
新十郎はやさしく笑って、
「お前、それは違うだろう。本当のことを隠さず申し立てなくてはいけないよ。お師匠さんのもとで、最近ヒサはお稽古したことはなかったのだろう。お前をそこへ残していずれへか荒巻とアイビキにでかけたに相違あるまい。お前はその戻ってくるのを待っているのがいつもの例であったに相違あるまい」
ヤスは涙ぐんで、うつむいた。
「もういっぺん、昨日のことを語ってごらん」
「仰有る通りでございます。お待ちしておりましたが、約束の時間がとっくに過ぎても戻って見えません。悪いとは存じながら、いつもタンマリお駄賃を下さるので、奥さんのイイツケに背くことができませんでした」
「二人はどこでアイビキしていたね」
「私はお師匠さんの家に置いて行かれて、どこへいらッしゃるのやら、存じません」
これでヒサと敏司がアイビキをつづけていたことがハッキリした。
そこで多くの探偵をだして、荒巻敏司、中橋英太郎、小山田新作、梅沢夢之助らの数日来の動静をさぐらせてみると、判明してくる事実は、実に意外、又意外の連続である。