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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
07 その六 血を見る真珠
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页
「ヤイ、清松。手前だけ女がついているからッて、男のツキアイを忘れちゃ済むまい。いちゃつくだけが能じゃねえやな」
と大和にひやかされると、根が好きな道、腕に覚えもあるから、何を小癪なと仲間に加わる。それからこッちバクチに明け暮れている。兄貴株の八十吉と船頭の竹造が心配して、女房トクと力を合せて時々いさめてみるが、利き目がない。畑中も見かねて清松をよびよせて、
「船中生活の無聊にバクチにふける気持は分るが、あの大和はちょッと心のよからぬ奴、賭の支払いで苦しんでから悔むのはもうおそい。今のうちにやめなさい」
「なアに、あんな奴に負けやしません。たいがい勝ってるのはオレの方でさ」
「それがお前の心得ちがいだよ。私も長い船乗り暮し、だいぶお前よりは大人だから目は肥えている。あの大和は実に驚くべきインチキバクチの天才だよ。何年となく負けつづけているこの船の乗員どもが、今度こそは大和に勝てるという気持をすてることができないのは、よほどバク才のひらきが大きいからだ。今にしてやられるに極っているから、今のうちにやめなさい」
「アッハッハ。海の底が仕事場のオレたちには、水の上じゃア虎や狼とでも遊ぶ気持になりまさア」