轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

07 その六 血を見る真珠

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页

青空文庫

大和はしばらく考えていたが、やがて今村を指した。

「お前は、あの部屋をでろ。そして、みんなと雑居しろ。どうも、なじめねえ野郎だ。船乗りの気持は分るが、貴様が何を考えているか、その気持だけは、てんで見当がつかねえや。貴様があの部屋にトグロをまいていちゃア、助平どもの気が荒れていけねえ」

「そうだとも。そうしろ」

何名の者かが口々に和した。それが一同の同じ気持であったのである。今村も仕方がなかった。大和にせきたてられて、即座に荷物をまとめ、雑居室へ移らざるを得なかった。

全てそれらの事どもに馬耳東風だったのは、キンと清松であった。キンは良人が死んだために。しかし、清松はなぜだろう。まったく彼は死神が乗り移ってしまったように陰鬱であった。潜水病のためもある。しかし潜水病の原因をなした願望こそは、彼に死神の陰鬱を与えているのに相違ない。三〇〇グレーンの黒真珠も、五三〇グレーンの白銀の真珠も、失われてしまったのである。そして、船はすでに北へ北へ走っている。再び真珠を採る機会も失われてしまったのだ。

根気を失わないのは、大和であった。彼は毎日船内を探した。人々の挙動を探っていた。