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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

07 その六 血を見る真珠

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 页

青空文庫

キンは言葉を改めて、

「さて、本日お願いに上りましたのは、ほかでもございません。帰郷以来、私の不在中に留守宅を家探しする者がありまして、今までに、たしか五回、同じことをやられたのでございます。奇妙に一物も盗まれておりませんが仏壇の奥から米ビツの底までひッかき廻して参ります。誰かが盗まれた真珠を探しているのかと思いまして、トクさんや竹造さんにお訊きしますと、あの方々のところでは、そういうことがないとのお話。私だけが家探しをうけるイワレが分らないのでございます。主人が生きておればとにかく、行方知れずですもの、私の家こそ特別家探しを受けないのが当り前と申せましょう」

キンは帯の間から一通の手紙をとりだして新十郎に見せた。

手紙の差出人は大和である。新橋の某楼に於て昇龍丸の犯人探しの会を開くから出席されたい。当日の出席者は今村、五十嵐、金太、清松、竹造、トク及び自分の七名であるが、遠隔の地の人には旅費を支弁するから、万障くり合せて御参会願うという文面であった。犯人探しの当日はすでに明日に迫っていた。

「この手紙が届いたのは一週間ほど前のことですが、私は昨日まで考えたあげく、度々の家探しをされて痛くもない腹を探られるのも癪ですし、亡夫が他殺でありますなら、この際ハッキリ犯人をあげていただきたく、思いきってお願いに上っ