轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
06 その五 万引家族
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,970 字 · 48 页
中には、癩病と知った当日逃げだした弱虫の慌て者もいたほどだよ」
大家にも拘らず、大勢の召使いが一人残らずそう古くない理由がうなずけるのである。
事件の起ったとき、未亡人のりりしい態度と処置は水ぎわ立っていたそうだ。なまじ召使いに隠し立ててはいけないと思い、一同に、癩病、自殺を打ちあけて、業病の家に奉公もつらいであろうから、自由にヒマをとるように。ただ葬式までは居て欲しい。又、この事実を人に他言しないように。父母兄弟良人妻にも他言だけは慎んでくれ、と、多額の金を与えたという。その策が功を奏して召使いはヒマをとったが、その口から秘密がもれなかったという。肉をえぐり、皮をはぎ、顔の皮までそぎ落しているから、会葬者に屍体を見せるわけにいかない。それで、お通夜には苦労した。すぐ白木の棺におさめ、花田医師は特殊な病状を会葬者に語りきかせてごまかさなければならなかった。
かほどの大事件に度を失うことがなく振舞ったという女丈夫の未亡人が、万引せずにいられない妙な病気があるというから、皮肉でもあるし、いたましい。
咲子は未亡人の心事を思いやった。彼女こそは家族全員の中で、咲子と立場を同じくする者なのだ。