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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
五十をすぎて子供もなく、デタラメに薬を煮たてて病人をだましてきた呑気な夫婦で人生を達観し、一向にクッタクがない。低能の東太のお守り役にはまことに適当な人物であった。願ってもない人が来てくれたと千代はことごとく喜んで、離れの下と二階を分け合って、入間夫婦と東太母子の四人が仲よく水入らずで暮すことになった。天鬼は時々訪れてユックリ滞在し、ここに離れの一味と母屋の志呂足の一味は邸内を二分して、津右衛門の二十一周忌を待つこととなったのである。
ところが二十一周忌が近づいた時になって志呂足はタナグ山神のお告げと称して、変なことを言いだした。
その一ツは、当日津右衛門の霊が法要の席に現れて何か告げることがあるそうだから、彼の死の日に千頭家に居合した者一同が法要に参集すること。
他の一ツは、東太は当日、志呂足の次女宇礼(十八歳)と結婚すること。結婚の儀終って東太のタタリはバラリと解けるというのであった。
津右衛門の死んだ日に千頭家に居合した者といえば、云うまでもなく甚八と千代が中心人物。そのほかには玉乃をはじめ、女中のギン、ソノという二人、文吉、三次という下男、いずれもまだ当家に働いているばかりでなく、みんな志呂足の信者であった。