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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
「時刻であるぞ。甚八、四目おけ」
この若造が甚しく虫の好かない甚八、大目玉をギロリとむいて、
「何だと。甚八とは何だ。笑わせやがるな。仏の霊をひきだせる力があったら、オレの霊もひきずりまわして碁石ぐらい動かしてみやがれ。山の神の霊力でオレの腕をネジ動かして四目おかせることができるかできないか、さア、やってみろい」
甚八は神田の職人。一度むくれたらテコでも動くもんじゃない。須曾麻呂はこれを怒ったのか唇のまわりがブルブルふるえたが、あとは一言も物を言わず、ジッと目をひらいて虚空をみつめている。
「ヘン。唐変木め。山の神ぐらいで驚くもんじゃアねえやな。唐変木の親玉はどうしていやがるか」
志呂足の方をみると、これは我関せず涼しい顔、ジッと目をとじている、ミコの比良をみると、これも目をとじてジッとしている。甚八は苦笑して、
「どうも呆れたもんだね。甚八だって言やアがる。くそ、いまいましい野郎だ。再びぬかしやがるとポカリとお見舞いするから覚悟しろ。ボツボツ幽的をだしてくれ。こッちは気が短けえや」
「まアまア、棟梁、そう短気を起しちゃいけない。めったに見られない見世物だから、ゆっくりお手並拝見とシャレよう」