轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいざ
星座
有島 武郎
1922(大正11)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页
大臣が勢いよく馬車に乗って出てくるのを見ると、すぐ駈けだしていって、否応なしにその馬車に飛び乗った。そして馬車が官舎に着くまで滔々と意見を披露して大臣に口をきく暇をさえ与えなかった。官舎に着くと大臣に先立って官舎に駈けこんで、自分がその家の主人ででもあるように大臣を迎えた。そして自分の意見の続きをしゃべりこくった。大臣もとうとう根気負けがして、注意深くその人のいうことを傾聴するようになったが、その結果としてその人は欧米への視察旅行を命ぜられ、帰朝すると、すぐいわゆる要路の位置についたというのだ。清逸はそれを聞いた時、木下藤吉郎の出世談と甲乙のないほど卑劣不愉快なものだと思った。実力がないのではない、実力があればこそ、そんな突飛な冒険にも成功したのだ。けれども藤吉郎もその人も、自分の実力を認めさせないで、認められようとした。それが悪いことだとはいわれない。結局認めさせるのも、認められるのも同じようなことだ。それにもかかわらず、清逸にはそれがとても我慢のできない悪い趣味だとより思えなかった。この気持は三隅にも新井田氏にも彼自身を訴えてみる企てをどこまでも否定させた。