轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょうわじゅうごねんどのぶんがくようそう
昭和十五年度の文学様相
宮本 百合子
現代文学の多難性
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,846 字 · 6 页
現代文学の中にあらわれているこの大きく深い淵、角度のひらきを、その現実の意味の大きさ、深さそのものに於て把握してその本質をつきつめ会得することで、明日の文学はみずからの前進をしなければならないのであろうと思う。何故なら、作家と作品との間にそういう甚しい分裂が生じたのは、この数年来文学の世界に真の現実諸関係を生かそうとせず、作家の恣意によって風俗の一断面を自身の鏡の下において眺めたり、思念の断片を一つの世界に拡大して見たりして来ていた文学への云ってみれば現実の復讐であるから、文学の世界に現実をどうみるかというような考えは無用であると云われた四年ほど前の言葉の唾は、余り自由に心地よくひろく高くはねとばされて、その後四年たって面上に落ちかかって来たときは、その震動の激しさで、外ならぬその発言者が顛動的上下動に身をさらすこととなったのである。
文学にあらわれたこの深淵は一般に微妙な時代的翳をなげていて、現代小説では人間の社会的な生活の物語と所謂生態描写との本質上の区別がぼやかされて来ているし歴史小説の分野では、時代と環境との客観的意義の評価を見直すことでは前進しつつ、そこにゆきかける時代の人間の積極なものとの関係の分析と意義とを従の関係におくことではやはり現代の文学の敗北の投影がみられる。