轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょもつをあいするみち

書物を愛する道

柳田 国男

「書物新潮」1940(昭和15)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,750 字 · 12 页

青空文庫

小さな頃から色々の字の用い方に馴れて居る。従って同じ書き下し文を書くにしても、つい六つかしい文字を使えば、送りがなも概して倹約する。何の気なしに故事や熟語を引用する。それを学校でほんの少ししか漢文を教えられなかった人に、読んでもらおうとするのだから若干の故障にはなる。言葉は実際には百年前と今と、そう大きな変化はして居ない。従って耳で読むのを聴いて居れば大抵はわかるものでも、書き方が古風な為に親しみを持てないことは、ちょうど行書草書がまじると写本はもとより、親や祖父母の手紙までが読めなくなるのと同じである。所謂口語体が奨励せられ出してから、この障壁は一段と高くなった。殊に書名によって内容を察し、又はただ数頁をぱらぱらと拾い読みして、面白かろうかどうかを決定する風が盛んになっては、古書は年月と共に益々不人望になって行くことも已むを得ない。書物が唯一の今と過去との交通方法であることを知る人が、是を何とかしなければならぬと考えてくれるのを待つばかりである。

今までに知られて居る仲介手段としては、註を付け講釈をして聴かすということより他には無かった。註釈は決して素通しの硝子のようなもので無いことは、甲乙幾つもの註が互にちがって居るのを見てもよく判り、それに又其力の及ぶ範囲が限られて居る。