轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょきかん

書記官

川上 眉山

「太陽」1895(明治28)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,182 字 · 36 页

青空文庫

じれッたい。父様ア。とばかり果ては耳を引っ張る。善平はうるさげに、ええ喧ましい、黙っていろ。考えごとの邪魔になる。チョッ、湯にでもはいって来るがいい。

ようございます。たんとそうなさいまし。と先例のごとく言い放ちて光代は拗ね返りぬ。善平はさらに関せざるもののごとく、二言めには炭山がと、心はほとんど身に添わず。

畳障りも荒々しく、障子に当り散らして光代は部屋の外へ出でぬ。折しも母屋へ通う廊下を行くは辰弥なり。上と下とに顔見合わせて、辰弥はいつものごとく笑うて見せぬ。光代はむっとしたる顔して尾上に目を反らしぬ。辰弥は打ち笑みて過ぎけり。

いいしごとく善平は朝まだきに帰りを急ぎぬ。今日も同じくいたわられぬに光代の顔は打ち解けねど、心は早くこの家を出づることを喜べり。見送りにとて辰弥は出で来たりぬ。見るより光代は眉を顰めて顔を背けぬ。辰弥と善平とはややしばし囁き合いて、終りは互いに打ち笑えり。光代は知らぬ振りしてただよそをのみ見つめぬ。別れ際に辰弥は一言、光代さん、綱雄さんにお逢いの節は、どうぞよろしくとおっしゃって下さい。

六

上野の森の影を迎えて光代は初めてほッと息をつきぬ。