轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
「オール讀物」文藝春秋新社、1955(昭和30)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,541 字 · 80 页
女中のきよを仲間に入れて、マージャンに興ずることもあった。トランプもやった。もう三月中旬をすぎていたので、暖かい日曜日などには、花田を誘って三人で外出した。そして夜は、新橋あたりのバーのスタンドに、三人が肩をならべて、洋酒に酔うこともあった。
そういう場合に、元女優あけみの美しさと社交術はすばらしかった。酒がまわると、花田警部はあけみにふざけることもあった。ひょっとしたら、彼がこんなにしばしば遊びに来るのは、あけみに惹かれているためではないかとさえ思われた。花田はしゃれた背広は着ていたけれど、やっぱり叩き上げた警官の武骨さをごまかすことはできなかった。それに、顎の張った爼のような赤ら顔をしていた。だから、克彦は少しも気にしなかった。名探偵が共犯の女性に惚れるなんて、実に楽しいスリルだと思っていた。
克彦と花田のあいだに、探偵小説談がはずむこともあった。
「北村さんは、探偵映画のシナリオを幾つもお書きでしたね。一つ二つ見ていますよ。商売がら僕も探偵小説は好きな方です」
花田はなかなか読書家のようであった。
「犯人を隠す映画はどうもうまく行きませんね。