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げっせかいきょうそうたんけん
月世界競争探検
押川 春浪
「探檢世界秋季臨時増刊 第四卷第三號 月世界」成功雜誌社、1907(明治40)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,365 字 · 17 页
」
「左様でござります。場合によりましてはそんな事でもありましたかも知れましねえ。しかし折角ここまで来たものでござりますれば、今少し辛抱してお捜しなされて……」
「そりゃ勿論死ぬまでも捜す決心だ。」と奮然として答えて、
「少し寒けがして来たが何か焚火をするものはないか。」
「どれ私が拾い集めて参りましょう。」
と東助は出て行ったが、やがて一抱えの燃料を持って立ち帰って来たので、それを焚いて温りながら、一つ一つ差しくべつつ話しをしていたが、文彦は何心のう今自分の持っている木を見るとこの月世界に見なれぬ、しかも何やら彫刻したように出来ている。
よくよく見ると飛行船の部屋の装飾で擬ものう篠山博士の飛行船月宮号の附属品だ。
「やッ※ 手懸りがあった。」
「え?」
「これを見い。」とそれを東助の眼の前に突き出して、
「これは叔父さんの飛行船に着けてあった飾りだ。これがあるくらいなら、どうしても叔父さんはここへ来られたものには違いないが、飛行船が壊れたため地球へ帰る事が出来ないでここにそのまま止まっていらっしゃるんだ。難有い。これこそ天の与えだ。」
「じゃいよいよ大旦那様はここにお出でなされましたに違いねえ。