轻松读懂日语经典作品
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つきよとめがね
月夜と眼鏡
小川 未明
「赤い鳥」赤い鳥社、1922(大正11)年7月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,679 字 · 8 页
おばあさんは、この眼鏡をかけてみました。そして、あちらの目ざまし時計の数字や、暦の字などを読んでみましたが、一字、一字がはっきりとわかるのでした。それは、ちょうど幾十年前の娘の時分には、おそらく、こんなになんでも、はっきりと目に映ったのであろうと、おばあさんに思われたほどです。
おばあさんは、大喜びでありました。
「あ、これをおくれ。」といって、さっそく、おばあさんは、この眼鏡を買いました。
おばあさんが、銭を渡すと、黒い眼鏡をかけた、ひげのある眼鏡売りの男は、立ち去ってしまいました。男の姿が見えなくなったときには、草花だけが、やはりもとのように、夜の空気の中に香っていました。
おばあさんは、窓を閉めて、また、もとのところにすわりました。こんどは楽々と針のめどに糸を通すことができました。おばあさんは、眼鏡をかけたり、はずしたりしました。ちょうど子供のように珍しくて、いろいろにしてみたかったのと、もう一つは、ふだんかけつけないのに、急に眼鏡をかけて、ようすが変わったからでありました。
おばあさんは、かけていた眼鏡を、またはずしました。それをたなの上の目ざまし時計のそばにのせて、もう時刻もだいぶ遅いから休もうと、仕事を片づけにかかりました。