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あさおきのひとたち
朝起の人達
佐々木 邦
「面白倶楽部」1925(大正14)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,511 字 · 14 页
と私は共鳴した。
これが切っかけになって、私達は話し込んだ。若旦那は表現派の詩人だった。私も今こそ腰弁だけれども、高等学校時代には新体詩の一つや二つは作ったことがあるから、少時の間詩論に花が咲いた。
「有難いですな。私は初めて知己を得ました」
と若旦那は大喜びだった。
「しかしお若い丈けに、あなたのお考えの方が新しいですな。私も好い学問をしましたよ。何しろ十年以上も俗務に没頭しているんですからね」
と私も学生時代に戻ったような心持がした。
「その中に処女作を纒めたものが出ますから、一本献上して御批評を仰ぎます」
「いや、恐れ入ります」
「失礼ながらお宿所とお名前を伺わせて下さい」
と若旦那が言った時、この間の松公が駈けて来たと見ると、岩乗作りの老人がもう若旦那を取押えていた。
「何をします?」
と私は立ち上った。
「いや、これは俺の忰で少し理由があります」
と老人は用捨なく引き立てた。
「ヒッヒヽヽヽヽヽ」
と青年詩人は何とも言えない奇怪な笑声を発した。附近にいた人達が驚いて寄って来たくらいだった。私は茫然として後ろ姿を見送りながら、
「あの若い人は何でしょう?」