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きそおんたけのはなし

木曾御岳の話

木暮 理太郎

「日本山岳会会報」1933(昭和8)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,366 字 · 15 页

青空文庫

そこへ泊ると御岳講の連中が二、三十組も泊っておりましたろうか。いよいよ明日はお山へかかる。今日は特にたびたび水を浴びなくちゃいけないというので、盛に行が始まる。水を浴びるといっても、御岳教の教文を唱えながら、流し又は行場へつくばって絶えず両手で頭へ水をかけ、四、五分経ってから最後に大きく胸から体へ懸るようにする。それを二、三遍繰返してやる。もっとも傍に湯が立っていて、寒くなれば湯にはいってまたやるのです。そうして車座をつくって、まん中に中座を勤める人が御幣を持って坐ると、先達がその中座の前に坐る。そうして教文を読みはじめる、そうすると早ければ四、五十分、遅くも一時間過ぎには中座に御岳さんがのり移るのです。教文は神仏混合で、いろいろのお経や祝詞やお祓いを読む、高天ヶ原の祝詞からはじまって不動様のお経までやる。ことに『般若心経』をよくやる、それは中座の人によく利くお経やお祓をやるので、ある中座の人は『般若心経』を最後に読まなければ神様がのりうつらない。ある人は六根清浄の祓でないといけないという工合で、このことをお座をたてるといいますが、このお座が幾つも立つので、こっちでは『般若心経』