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すえっこ
末っ子
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1957(昭和32)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,564 字 · 55 页
と平五は呟いた、「叔父は恥をかくことだろう、よけいなおせっかいだった、叔父の面目を立てるどころか、満座の中で恥をかかせることになった、ひどいもんだ、ひどいことになったもんだ」
彼は自分を罵った。自分の軽薄さ。猿知恵のおせっかい。うぬぼれと高慢。平五は頭を垂れ、心の中でかぶとを脱いだ。
田村小路を訪ねたのは夕方であった。叔父はまだ帰っていなかった。妻女があがって待つようにすすめたが、彼は用をたして来ると云い、半刻ばかり歩きまわってから、また訪ねた。主殿はちょうど帰ったところで、風呂にはいっていると云われ、平五はいつもの三帖で待った。子供たちがうるさく騒ぎ、七つと五つの男の子は、はいって来て平五をからかった。遊んでもらいたいのだろうが、こっちはそれどころではない、あいそを云う気も起こらないので黙っていた。
主殿が汗を拭きながらあらわれると、平五はいきなり低頭して詫びを云った。
「本阿弥、いや、多賀が来るなんて予想もしなかったものですから、そう聞いて、しまったと思ったんですが」と平五はうかがうように叔父を見た、「御迷惑をかけて済みません、やっぱり短刀は見せたのでしょう」