轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほんいんぼうしゅうさい
本因坊秀哉
野上 彰
「囲碁世界」1950(昭和25)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,685 字 · 6 页
に浮彫りされて、いま読みかえしてみると、名人の悲しさ、一つの道に終生を捧げた人の哀れがそくそくと心に迫る。
その本因坊秀哉名人とぼくは、ただの一度も親しく逢うこともなくすごした。五尺にも満たぬ身体のどこにあのような烈しい闘いを支える魂がひそんでいるのか、時たま、日本棋院の玄関や編集室で見かけるひよろひよろの老人に目を見張る思いであつた。
碁という一筋の道に、なにもかも打ちこんで生きた名人の面影を伝える話がある。
ある年の秋、生前本因坊秀哉は京都を愛し、たびたび、川端丸太町の吉田操子の家の客になつた。そのころもいまも、日本中で吉田塾ほど居心地のよい家は珍らしいが、本因坊名人はことに吉田操子さんと親しかつた。そのころのある年の秋、吉田さんの家にはいつでも、多勢の学生が遊びに来ていたものだ。藤田梧郎、島田拓爾、垣内良三、みんなぼくと同じころ京都帝大に学んで、碁を習つているのか、学校へ出ているのか、けじめがつかない連中ばかりだ。それに専門棋士の染谷たちも交つていたのだろう。がやがや集まつて、だれかの打碁を調べていた。専門棋士の対局ではなくアマチユアの碁だつた。