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むらへかえったしょうへい

村へ帰った傷兵

小川 未明

「日本の子供」1940(昭和15)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,124 字 · 9 页

青空文庫

自分の体でできることなら、清作さんは、どんな仕事でも喜んでする決心でありましたが、さいわいに、村の産業組合に適当な勤め口があって、採用されたので、いよいよこれから銃後にて、お国のために余生を捧げることにしたのです。

やがて、三月の季節となりました。春がこの村にも訪れてきたのであります。ある日、清作さんは、村の子供たちをつれて、帰ったら、かならずいこうと思っていた、源吉さんのお墓へお詣りをしました。そこは、小高い山でありました。

「さあ、これが話をした源吉さんのお墓だ。お国のためにつくした村の勇士だ。みんなよくお礼をいって拝みなさい。」

子供たちは、お墓の前にならんで、手を合わせて頭を下げました。南の方へゆるやかに傾斜して、陽のよく当たる丘のなかほどに、つばきの大きな木があって、赤い花が咲いていました。黄色な小鳥が、その枝にきて遊んでいたが、目を送ると、そのふもとの方には、わらぶきの家があって、三、四本の梅の木のつぼみが白くなりかけていました。

徐州、徐州と人馬は進む

徐州いよいか、住みよいか

と、子供らの中から、孝ちゃんが、ふいにうたい出した。清作さんは、これをきくと、きっと頭を上げて、思い出したように、