轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
とうきょうようさい
東京要塞
海野 十三
「サンデー毎日」毎日新聞社、1938(昭和13)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,341 字 · 37 页
五郎造はもう逆上してしまった。いきなり兵をかきのけて、砲架によじのぼろうとした。
「こら、なにをする」
どーんと一発、傍にいる下士官のピストルから煙が出た。五郎造は棒のようになって、砲架から転げおちた。
恐怖の瞬間は迫る。――
しかしもうそれ以上、この物語をつづける必要はない。なぜなれば、その次の瞬間百雷が一時に落ちて砕けるような大爆音がこの室に起った。亜鉛屋根を抜けて真赤な焔の幕が舞い下りたと思った刹那、砲身も兵も建物も、がーんばりばりと大空に吹きあげられてしまったから。
東京市民は、近きも遠きも、この時ならぬ空爆に屋外にとびだして、曇った雪空に何十丈ともしれぬ真黒な煙の柱がむくむくと立ちのぼるのを見上げて、不審の面持だった。――
今でも帆村荘六は、あの“東京要塞”と僭称していた某大国の秘密砲台の位置発見に大功をたてた自記地震計のドラムを硝子張りの箱に入れて、自慢そうに持っている。その黒いドラムの上には、あの特徴のあるとんとんとんととんという地響が白い線でもって美しい震動曲線を描かれてあった。そしてその下には、
「昭和×年十二月七日、某大国大使館裏にて観測」