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とうようぶんかしにおけるぶっきょうのちい
東洋文化史における仏教の地位
高楠 順次郎
外務省文化事業部に於ける講演、1930(昭和5)年2月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,830 字 · 69 页
赤化ロシアの方が他の国よりもよほど理解があるといって梵語学者の仲間では賞讃しております。シャムの皇帝は曽て小乗の一切経を出版され世界の学界に提供した。後にまた註釈全部を出版して世に弘めた。ビルマでは有志が出版し、セイロンでも有志が出版して普及を計っている。
古代の出版から近時の出版まで合せますと三十の一切経があります。でこれは古い写本、版本みな大切でありますが、近時学者の手に成った校本も研究には欠くべからざるものであります。それをみな集めようというのがわれわれの野心であったのであります。その中で図書館に入っていたのは焼けましたのが多いのであるが、他に本願寺にもあるし、東北大学にもある。とにかく日本には三十の一切経がことごとく存在しております。これはわれわれの誇りとすべき事柄であると私は考えます。インドで出来た一切経もインドの本国にはありませぬ。シナで翻訳され刊行された一切経もシナには残っていない。日本まで文化が押し寄せてきて、それからは決口がないから日本には全く留ったという訳であります。それから日本の古寺院に、非常に面白い図書が残っておりますが、その残っているものの中に近頃中央アジアの発掘によって知られたものは日本に存在していることが分った。